前回、「ためしてガッテン」で放送された歯磨きの方法、歯磨き粉の使い方の話についてご紹介をしました。

実際に、歯医者さんで働く人たちって歯磨きはどのようにしているのだろうと興味を持ってくれる人も少しはいるのではないかと思い、
不肖ながら、私の歯磨きのプロフィールについて、お話してみたいと思います。

 

まずは、 ブラッシングの回数です。

これは、平均よりも多いはずです。

朝食後、昼食後、夕食後、寝る前、少なくとも4回です。
プラス、間食はほとんどしませんが、食べたとしたら外出先でもなければその都度磨いています。

予防のためという意識もありますが、食べたら磨くという習慣というか、磨かないと気持ち悪いというか 職業病のようなものなのかもしれません。

 

次は、1回当たりの歯磨きの時間です。

これは、時間帯によっても違いますが、夜などの時間があるときは、
TVを見ながらであったり、PCをしながら5分くらいは磨いています。

患者さまにもご指導しているように、1日1回しっかり隅々まで磨いていただければ、
予防としての、歯磨きの目的は達成できています。

おかげさまで、右利きの私も左手でマウスの操作ができるようになりました。(右手は歯ブラシ)

 

前回お話した歯磨剤について、メインは「チェックアップ」を使ってます。
フッ素濃度が1450ppmと高い歯磨剤です。 
前回もお話しましたが、虫歯予防にはおすすめの歯磨剤で、
おそらくほとんどの歯科医師、歯科衛生士が自信をもってすすめる歯磨剤だと思います。

これを使ったあなたは、予防歯科に関して、「意識高い系」間違いなしです。

ただ、研磨剤の配合量が少ないので、何となく汚れが落ちてない気がするのと、
期間が経つと歯の裏の舌触りがよくない気がするので、研磨剤の入っている歯磨剤も時々使います。
その際には、仕事柄、試供品をいただくことがあるので、それらを色々と試しています。

本当に、ざらつきや歯石が気になってきたら、
私も当院の歯科衛生士に歯のクリーニングをしてもらっています。

自分の歯の予防のためと、スタッフの技術のチェックのためを兼ねています。
でも、実際の患者さまと同じで、気分がよくなって寝てしまうこともあるので、技術のチェックはそれなりかもしれません。
でも、みんな上手ですから大丈夫ですよ。

クリーニングの後は、歯磨きでは得られないようなすっきりした気分になれますね。
食事するのがもったいない気分になります。

 

歯ブラシはルシェロB10 Mがお気に入りです。

歯ブラシも、歯磨剤と同じで、試供品をいただく機会も多いので、勉強のためにも色々と試しています。
(残念ながら、一回で使いたくなくなるものもあります。)

ルシェロB10 Mは、虫歯予防メインの健康な歯肉の方向けの歯ブラシで、
同じメーカーのもので、ルシェロP10シリーズという歯周予防向けのどちらかというと中高年向けの歯ブラシもあります。

年齢的にはP10シリーズかもしれませんが、B10Mでがんばってます。

歯ブラシの毛の固さや植毛ラインで、歯周ポケットをメインに磨くものなのか、刷掃をメインに磨くものなのか、
そうした違いです。

 

前回話題のうがいの回数は1回です。

うがいなしがフッ素の滞留のためにはよいとはわかってはいても、
これは子どもの頃からの習性なのか、うがいなしの道のりは遠いようです。

 

補助器具はフロスを使っています。
ワックスなしです。

朝(ほぼ昼も)は、時間がないので使いませんが、夕食後は基本的に使います。

患者さまには鏡を見ながらフロスをすることもすすめていますが、
歯科医師ですので、鏡を使わず、全ての歯間にフロスを通すことができます。

初めてフロスを使った時と同じように、そのフロスで取れる汚れ具合や臭い具合に、
やはり、歯ブラシだけではお口の中はきれいにすることはできないのだなと毎回感じています。

歯ブラシだけではとりきれない、この汚れや臭いの元がお口の中に残っていると思うとぞっとします。

 

仕上げはリステリンでうがをいしています。
味はこれもいろいろと試しますが、味への刺激は求めていません。

リステリンでうがいをしているので、フッ素は流れているのかもしれません・・・

 

歯間ブラシは基本的に使ってません。

当院では、患者さまへの歯磨きの指導では歯ブラシ+一つの補助的清掃用具でお話することが大半です。

これは、完璧を求めるあまり、あれもこれもと行うのは難しいと考えているからです。

私自身もそれに習い、歯ブラシ+フロスを基本としているため、
幸い、大きな歯間の隙間もないことから歯間ブラシはお試しレベルでの使用となっています。

 

ワンタフト系も、個人的には使用していませんが、
これについても、矯正治療中の患者さまや、インプラントを入れられた方、歯並びに難のある方、横や斜めを向いた親知らずをお持ちの方などにはお勧めしたいと思います。

 

その結果、虫歯にならないかというと、
歯科医師になってからも何本かは虫歯で治療はしています。

もともと、子供のころから虫歯になりやすいタイプですので、現在は歯磨きや予防をがんばって食い止めている状態です。
(おそらく自分が歯科には関係なく、平均的な歯磨きの仕方で、予防歯科にも通ってなければもっとお口の状態は悪くなってることでしょう。)

幸い、歯周病の進行はあまりありません。
これは歯周病の要因が主に大人になってからの問題であり、ここは予防で効果が出ているからだと考えています。

私たちは歯やお口のことを日々考えながら仕事し、暮らしていますし、
患者さまに指導する以上、自分たちがしっかりできてないといけないので、
当然なのかもしれませんが、予防をしっかり行うことで、お口の健康を維持できることは実践しているつもりです。

皆様にも少しでもお口の健康を意識していただき、
毎日の歯ブラシを頑張っていただけるよう私たちも応援しています。