先日、NHKの「ためしてガッテン」で、歯磨き粉の使い方に焦点を当てた特集を行っていました。
要約すると、虫歯予防をメインとした歯磨き粉の使い方として、
- フッ素入りの歯磨き粉を使用すること
- 歯磨き粉は2センチ程度、多めに使用すること
- フッ素をお口の中にとどめるために、うがいはしないこと(しても少ない回数)
といった内容のことを挙げていました。
一世代前ですが、歯磨き粉の量について、あくまで少量という時代がありました。
これは歯磨きはブラッシングの正しい方法というものの方が大事で、
歯磨剤を多くつけてしまうと、磨いた気になってしまって、しっかり磨けなくなるという考え方からでした。
私も歯学部学生時代はむしろ歯磨剤を付けずに磨いていたくらいです。
いまでは、フッ素の多く入っている歯磨き粉、
具体的には「チェックアップスタンダード」を使用しています。
フッ素濃度は1450ppmで、歯科医師としてもおすすめです。(当院でも販売しています。)
「うがいはしない」というのは、さすがに難しく1回だけしています。
今春歯科衛生士学校を卒業した新人歯科衛生士に学校ではどう習ったの?
と一応聞いてみたところ、「ためしてガッテン」と同じ感じでした。
しかも、ご丁寧にも、昔の先生は少量というけど、今は違うと教えられたとのことです。
自分が昔の先生になったような、自分との時代の格差を感じてしまいましたね。
番組では、ご家庭で行う歯磨きの話をメインとしていましたが、
最後には歯科衛生士さんのプロケア、歯科医院での予防歯科を受けることが、虫歯予防には最も大事とお話してくれました。
当院でも予防歯科について、
ご自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを車の両輪のようにしてバランスよく行うことが大事と考え、
予防歯科を全ての歯科治療のベースにおいて歯科診療を行っています。
予防歯科においては、歯科医師よりも歯科衛生士が主役です。
その診療方針のもと、当院では予防歯科に力を入れていることを形にして、
約10名の歯科衛生士が在籍し(全国平均は1歯科医院あたり1名以下。それだけ歯科衛生士は少ないのです。)、
日々、患者さまのお口の健康づくりや予防歯科を行っています。
歯科衛生士がきちんと仕事をしながら、長く定着してくれることで、
患者さまには、同じ歯科衛生士により、長期的に予防を行う、メンテナンスを受けることもできるようになります。
まだまだ道半ばですが、長い目で予防歯科に通いたいという患者さまにとっては、メリットのある歯科医院づくりが少しずつできてきています。
数や年数だけでなく、患者さまのために歯科衛生士として何ができるのか自分たちでも考え、
お互いも刺激しあい、よりよい予防歯科を提供しようと日々奮闘しています。
いつも感謝なのですが、当院の歯科衛生士たちは、やさしいし、患者さま思いです。
自信をもって皆様に予防歯科を提供しています。
お口の状態も人それぞれです。
その方のお口の状態だけでなく、リスク、年齢、生活習慣等に合った歯磨きの仕方のご説明や実際のクリーニング、メンテナンスが大切です。
お口の健康、予防歯科にご興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。