前回からの続きです。
今年もよい治療の提供のために勉強していきます。

◎オンラインセミナーが増えました

歯学部に入学する若いころには、歯科医師は資格をとれば、定年もないし、法律みたいな改正もないし、
年とっても資格を活かして仕事をしていけるのかなと淡い期待もありましたが、
実際には、どの資格業界も同じだとは思いますが、資格はあくまでその仕事をするための前提であって、
実際にはそれを活かしていくためのブラッシュアップが必要で、
卒業してからも、勤務医をしてても、開業しても、年をとっても勉強が続きます。

コロナがあって、一つよかったことは、オンラインセミナーが増えたことです。
毎週どこかでオンラインセミナーを行っていますし、
リアルのセミナーと比べるとリーズナブルなものが多いので助かります。
(その分、面白くないと見るのをやめたり、オンデマンドなら早送りしたりと、この感覚はYouTubeの視聴と似たものがあります。)

オンラインセミナーは、集中力の問題か、時間が短いものが多く、
平日夜にやってくれるのも、休日を開けられるので助かります。
昨年4月に診療終了時間を早めたことで、早く帰れるので、面白そうかなと思ったら見ています。(この辺の感覚もYouTubeと同じか・・・)

「外れのセミナー」を、「休みの日」に「東京まで行って」、「一日中」聞く苦痛からは解放されました。
特に地方の先生方からは、オンラインセミナーは重宝されているはずです。
セミナーを行う側も、リアルで50人相手にしているよりは、オンラインで500人相手にしている方がメリットや影響力も高いはずなので、
簡単な内容の講義はオンラインセミナーで、という流れはコロナが落ち着いても生き残るでしょう。

歯科のセミナーは実習が必要なものも多く、リアルのセミナーがなくなることはありませんが、
これからはリアルとオンラインの両方をうまく活用して、
日々の臨床に生かしていきたいものです。

◎歯科衛生士の活躍

予防歯科に力を入れている当院ですが、
予防歯科を直接担当しているのは、歯科医師よりも歯科衛生士です。

昨年は、というかここ3年くらいは歯科衛生士の退職、入れ替わりはありません。(産休はいます。)
安定したスタッフがいることで、安定して予防歯科に取り組むことができています。
治療の流れも理解してもらっているので、一日の仕事の動きもスムーズでとても助かっています。
いつもありがとうございます。

予防歯科は長期的な視点で取り組まないといけない分野ですし、
医院づくりにとっても長く勤めてもらうことは大事です。
何より、患者さんにとっても、自分のお口のことをよく理解してもらい、
個人差を考慮したメンテナンスを受けられるということは、
「歯石をとる」ことだけが目的の単純作業的なクリーニングとは違い、
お口の管理、身体の健康に有益なことだとぜひお伝えさせてください。

◎診療時間の短縮について

昨年の変化の一つとして、4月に診療時間の変更がありました。
朝を30分早くして、夕方の終了時間を60分早くしました。

一番の理由は上記の歯科衛生士の定着にもつながることですが、
長く勤めてもらってることで、スタッフもその分年齢を重ね、
体力も若干落ち、家族が増えたり、と若くして入社したときとは時間の使い方が違ってきます。
健康面でも、家庭との両立の面でも、
仕事時間が残業もなく規律的で、できれば早く終わる方がよいはずです。

私も30分ずつ早寝早起きになって、体調が良い気がしますし、
オンラインセミナーを見たりする時間もできてメリットが多かったと実感しています。
(時間変更でご迷惑をおかけした患者さまには申し訳ありません。)

スタッフの満足度が高いことは患者さまの満足度に還元されると考えています。
引き続き働きやすい職場づくりをしていきたい思います。

◎アフターコロナに向けて

昨年のコロナの時期は、今後の医院の方向性をスタッフたちと話すゆとりもありました。
歯科衛生士が主体の予防分野においては、
大人になって困らないようにお子様の発育の段階から、
よいかみ合わせをつくるための予防矯正を行うことに力を入れていきたいという歯科衛生士からの意見もありました。

スタッフみんなでオンラインセミナーを受けたりもしました。
ふだんの診療にもできるところから取り入れ、今年以降もより積極的に予防矯正にも力を入れていく予定です。

私自身は、今後の取り組みとして、歯科医院におけるデジタル化を進めていきたいと考えています。
歯科医院におけるデジタル化に関しては、大きく治療方法そのもののデジタル化と周辺業務、事務的分野のデジタル化があります。

治療方法におけるデジタル化は、CADCAMであったり、IOSであったりを強めていきたいと考えています。
ただ、どちらも手段であって治療そのものではありません。
幅を広げるという意味では、新しい治療の考え方、手技を学びつつ、
エビデンスに基づいた歯科の歴史に脈々と続く軸となる基本的な治療の考え方も大切にしながら、
歯科医師としての成熟度を増していきたいです。

周辺業務のデジタル化は、保険証のマイナンバーカード利用をはじめとする受付・事務業務のデジタル化、
治療の記録や説明などの治療周辺業務のデジタル化など、
これまた今まではそれなしで行われていたことなのですが、
デジタル化が効率化や業務の改善を図れるものであれば、取り入れていきたいものです。

個人的なこと、医院的なこと、世の中的なこと、
変化のスピードも速く、今年も課題、目標満載ですが、
初心忘れず、2022年もがんばっていこうと思います!